レッドリストの中で最もリスクの低い「危急」とはいえ、国内でも環境省が「準絶滅危惧種」としています。『マツタケ』はヨーロッパやアジアなどに広く分布していますが、IUCNの推定では、この50年で30%以上減ったとみられています。日本での生産量は、戦前の1%程度しかありません。国内で食べられている「マツタケ」の90%以上が中国やカナダからの輸入品です。国産品は貴重で、中央卸売市場での価格は年平均で1キロ2万~6万円もします。ではなぜ国内の生産量が減ったのでしょう。「マツタケ」は、松の根元から養分をもらって育ちます。シイタケなどのような人工栽培が難しく、生育に適した松林が減っていることが一因のようです。また、人が落ち葉や薪を肥料や燃料に使わなくなったため、土壌の栄養が豊かになり、かえって「マツタケ」が好む栄養の少ない土壌が減ってしまったという指摘もあります。すぐに採るのを禁じられたり、輸入を規制されたりすることはありませんが、高くなることがあっても安くなる事はなさそうです。香りも味もほぼマツタケといわれる近縁種のキノコの研究が進んでいます。その名も「バカマツタケ」