そんな中で科学的に明確な効果が示されているのが、『洗剤やアルコール』です。コロナウイルスは一番外側を「エンベロープ」という膜が覆い、その膜にとげのような「スパイスタンパク質」がついています。洗剤やアルコールは、この膜を壊してくれます。この膜は「リン脂質」という油分でできていますが、油を溶かすのは『洗剤』の得意技です。洗剤に含まれる界面活性剤の分子には、水に溶けやすい部分と油に溶けやすい部分の両方がついています。この性質によって洗剤は油汚れに入り込んで溶かし、包み込みます。水とも仲が良いので、包み込んだ油は水に溶けて洗い流されるのです。『アルコール』の一種のエタノールも、水だけでなく油とも混ざり合います。濃度50~80%のエタノールが最も効率よくウイルスの油脂の膜に浸透し、すぐ膜を壊します。この濃度のエタノールには水分を吸収する力もあり、膜のタンパク質からも水を奪って働けなくしてしまいます。30%以下では、素早く壊す効果が確認できず、逆に80%を超えると膜を壊す速度が遅くなります。また、エンベロープは数日外気にさらされると感染力がなくなることも分かっています。「手洗いや洗濯をきちんとする。手指の消毒をこまめに!」という衛生観念をもって生活すること、それを面倒だと感じることなく、当たり前の生活習慣と思い、続けていくことが最も大切だと思います。継続は力なり!!です。