ウナギ目ハモ科ハモ属、ウナギに似た細長い身体の白身魚で、淡泊ですが旨みがあります。大きい物は2mにもなりますが、普通は70~80cmのものを食用にします。両顎に鋭い歯があり、甲殻類やタコ、イカなどを食べる肉食です。貪欲に他の魚介類を食べるので、何でも「食(は)む」ことからこの名がついたとされています。主な産地は紀伊半島以南で和歌山、兵庫、徳島、愛媛、山口、長崎、熊本など。大阪では天神祭、京都では祇園祭に食べる習慣があります。関東以北では余りなじみがありませんが、関西では夏の味覚を代表する食材の一つです。身の中に無数の骨が斜めに入り込んでいるので、必ず『骨きり』をします。さっと湯引きして梅肉で食べたり、照り焼きにするのが定番ですが、天ぷらや酢の物にもよく合います。産卵後でも食欲旺盛なため11月頃までは「落ちハモ」として食され、マツタケの土瓶蒸しや椀種にも使われます。高級魚ですが、美しい白身が涼やかで、夏の間に一度は味わいたい魚です。