ヨーロッパでは、ジビエは上流階級の貴族の文化として、古くから発展してきました。動物の尊い命をいただく代わりに、肉、内蔵、血液に至るまで余すことなく料理に使い、生命に感謝する精神が受け継がれています。日本では近年、過疎化で生息域が拡大した野生動物が人里に現れ、農作物を荒らすという現状があります。被害を減少させるために、農水省と環境省は、2013年に鳥獣捕獲強化対策を立て、翌年には「鳥獣保護法」を改正し「鳥獣管理」を法の目的に追加、一部の鳥獣については、積極的に捕獲する施策にかじを切りました。また、捕獲から処理加工販売まで一貫して行う「ジビエ利用モデル地区」を全国に16設定し、地域の活性化や環境の保全等に努めています。ジビエ料理を出すレストランも見かけるようになり、カレーやハンバーグ、つみれなどのレトルト食品も発売されています。野生動物との共存共栄、これからの日本の大きな課題です。