『カジキ』は日本では、主にメカジキ、マカジキ、クロカジキなどが知られています。カジキマグロとも言われますが、マグロとは別種、違う仲間です。流線型の大型魚で、特徴は口の先がクチバシ状に長く伸びていること。硬く鋭くまるで武器のよう。これで獲物を仕留めるといいます。泳ぐスピードもトップクラスで、攻撃的な性格から、南洋では釣りのゲームフィッシュとして人気が高くなっています。ヘミングウエーの名作「老人と海」で老人が格闘したのも『カジキ』です。クロカジキの旬は早春から夏、マカジキは夏、メカジキは秋から冬ですが、遠洋ものが多く、冷凍で一年中出回ります。メカジキの身は淡いピンクで、脂肪が多く柔らかいので照り焼き、味噌漬け、煮付け、ステーキなどに。マカジキはオレンジ色で、脂が少なく深い旨みがある希少な高級魚です。クロカジキもマカジキも鮮度がよければ刺身で食べられますが、実際は冷凍物がほとんどです。流通技術の発達により、いずれ生で食べられる日が訪れるかもしれませんね。